治療方針
精神分析的心理療法とは
精神分析とは、ジークムント・フロイトが創始した心理学の理論で、「人間には無意識の過程が存在し、人の行動は無意識によって左右される」という人間心理の理論と治療体系のことです。 人は意識することが苦痛であるような欲望を無意識に抑圧することがあり、それが形を変え神経症などの形で表出されることがあります。
そのため、薬を処方してただ身体症状を無くすのではなく、無意識領域に抑圧された葛藤などの内容を自覚し、意識化させることによって症状を解消していくという治療法をとります。
治療方法について
精神分析療法では、本人が心にうかぶことを自由に話して、治療者といっしょに心の中でおきていることについて考えてゆきます。
話す内容は何でも良いのです。今の具合について、最近の生活、家族や友人のこと、子供の頃のことなどその時心に浮かんだことについて何でも、
いつ・どこで・誰と・何があって・どう感じた・どう行動したかを話してください。(自由連想)
話しているうちに生じるさまざまな気持ちを通して、今までに気が付かなかった気持ちに気付くことができます。
治療者に対して生じる「見捨てられたくない」「もっと話を聞いてほしい」などの気持ち(転移現象)についても話し合うことで、人間関係における心の傾向を理解するのに役立つことがあります。
また、対象関係論に基づいた集団精神療法も行っています。
患者様の心の発達段階にあわせた面接
分析者は診断によって被分析者の性格の発達段階(※)を判断し、現実的な面接技法を考えます。 治療の目的は、愛情や仕事、遊びの領域で充足するのを無意識に妨げている原因を取り除くことであります。 すなわち、無意識の領域にあった原因を意識化させることで、「ああこういう理由だったのか!」と気づくことができます。
診療の対象者
この療法は全ての人にあてはまると考えられます。
一般的に"心の健常者"といっても何らかの心の問題を持っています。
重度の精神障害の患者さまや、神経症性障害と統合失調症という2つの精神疾患の境界にある境界性パーソナリティ障害の患者さまはもちろん、
軽度の神経症性障害の患者さまや、心の健常者も含むすべての人たちが対象です。
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自分の能力を発揮したい
自分の資質や能力を十分に発揮したいができていない方、仕事でミスが増えたと感じる方。隠れた能力を精神分析的に発見し、自己分析してみませんか。
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性格を改善したい
人の顔色を気にしてしまう、すぐにイライラしてしまう、自分のことが好きではない、直したい部分があるがうまくいかない方。
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性について悩んでいる
自分の性のあり方や価値観について悩んでいる方。
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強迫性障害
過度な潔癖症、手を洗うことや髪を抜くこと、ものを溜め込むことをやめられない方。
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対人恐怖症
人前での発表や人目があるところでの電話対応・会話などにおいて、声が出ない、手足が震える、しびれや息苦しさなどの症状が出る方。
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登校拒否・出社拒否
学習や仕事へのやる気が出ず無気力になっている、集中できない、朝起きられない、吐き気などの身体症状が出る方。
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摂食障害
食べることに自制がきかない、体重が増えることが怖くて食べられない、食べたものを自分で嘔吐してしまう方。
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パニック障害・不安障害
突然理由もなく動悸やめまい、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を起こしてしまう方、発作が起こるのが怖くて外出に不安のある方。
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その他の症状
身体が不調なのに医師には異常なしと診断された方、言いたいことをうまく言葉にできない方、自分を傷つけてしまうなど、不安なことがある方はどんな症状でもご相談ください。