山本精神分析オフィス

精神分析コラム

2019.09.05

逆転移の役割

自己の障害への心理療法の目的が、見捨てられ抑うつを処理し、不適応的な防衛を修正し、本来の自己に力を与え、防衛的な偽りの自己を弱めることであるなら、最も役に立つのが逆転移である。(マスターソンによる定義)
逆転移とは「心理療法における中立的枠組みを維持するのを妨げる、セラピストに生じるすべての感情」である。 逆転移を道具として役立てるには、次のことを正確に認識できていることが必要となる。

(注)個人がある種のパーソナリティ障害になっていく要因は、定義上「本来の自己」を発展させ表現していく能力を損なうものである

この「本来の自己」とは、個人が、他の誰のものでもない自分自身の願望を認め、現実にそれを表現でき、これが他者から非難されたとしても保っていられる能力などを指している。 本来の自己には、自己組織から生じる、自発性そして創造的側面が含まれる。

SNSで記事をシェアする