山本精神分析オフィス

精神分析コラム

2019.03.28

反動形成 Reaction Formation

抵抗

人はあることをより脅威的にないようにするために、反対側へと感情を移動させることが出来る。 反動形成の定義は、否定的な感情を肯定的な感情に転換すること、逆に肯定的な感情を否定的な感情に転換させることをいう。 憎しみを愛情に、妬みを親しみに、憧れを蔑みに変えることである。

このような対人関係が現れるのは3歳か4歳児のころからと思われる。 年上の兄姉は、赤ちゃんが生まれて、今まで独り占めしていた親からの愛情を赤ちゃんに奪われて赤ちゃんに憎しみや嫉妬を意識的にも無意識的にも愛情へと変化させることがよく見られるものである。 このように自分の感情を処理できる程の心の強さを持っている。

しかし反面、その情緒的傾向からその過剰さや偽りが感じられる。そのような時、それを反動形成といえる。その感情表現が少し過剰なので見分けやすい。

例えば、赤ちゃんを非常にきつく抱きしめたり、乱暴に大きく揺すつたりするなどである。 また他方で反動形成は感情の両価性を無意識のうちに否認するために働いているとも感じられる。 人は無意識のうちに愛しているひとを憎むことがあるし、感謝している人に対して怒りを感じることもある。 人の感情状態は一つに還元されるものではない。 ある人が誰かに愛を感じているが本当は憎しみを感じているのだと解釈しているが、精神分析的に解釈すれば、愛を感じてもいるし、また一方で無意識のうちに憎しみも感じているのではと解釈されるぐらいに受けとめられている。

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