山本精神分析オフィス

精神分析コラム

2019.02.21

隔離

抵抗

人はさまざまな不安や苦痛な状況から感情をその状況の事実から隔離することをいいます。
例えばある患者さんはいじめにあってその出来事を詳しく淡々と話すのを聞いている面接者(私)がそのことは凄く苦痛なことだと感じて“どんな感じをしましたか?”と尋ねたところ“何も感じません、むしろ懐かしい感じがします。”と言われたことに凄い異和感を覚えた思い出があります。もう40年近く昔のことですが。

これはある経験や観念の情緒的側面を認知的側面から引き離されるということである。 情緒の隔離は大事なこともある、外科医が患者を手術するのに患者の身体的苦痛や患者の肉体を切開するのに嫌悪感を覚えたらうまく手術できないだろう。 隔離の場合、体験の情緒的意味は切り離されているが、意識された体験全てが取り除かれてはいないからである。

SNSで記事をシェアする