集団精神療法のどういうところが治療的に働くかということに関してスラブソン(Slavson)、フォークス(Foulkes)、ヤーロム(Yalom.L)等はこのように言っています。
スラブソン(Slavson.S)
- 転移
- カタルシス
- 洞察
- 現実検討
- 昇華
スラブソンは精神分析の専門家で、精神分析の専門用語を使っていて理解しにくいでしょうが、彼の言おうとしていることは患者はこのグループの中で自分の思っていることが言えてよかったという体験や、自分について知ることができる。
例えば、自分は今までの対人関係で人とどういう関わり方をしていたので社会・集団生活になじめなかったのか等々・・・
そして現実についての自分の思考の改善をはかることができる。
フォークス(Foulkes.S.H)
- ほかの患者に分かってもらえた。
- 自分一人で悩んでいるのではない。
- 人の振りをみて自分の問題について学ぶ。
- 具体的な説明や示唆を受ける。
- 集団全体の無意識が活発になる。
以上のような体験をすることで、社会・集団社会に無理なく自然に入り込めるようになる。
CorsiniとRosenberg(1952)
- グループに受け入れられたと感じる。
- 他の患者を助けて、自分が役に立っていると感じる。
- 自分一人が悩んでいるのではない。
- 自分の行動パターンなどについて理解する。
- 自分の考え方や感じ方をグループで確かめる。
- 治療者や患者に強い感情を持つ。
- グループの中で対人関係を持てる。
- ほかの患者のしていることから、自分について学ぶ。
- 人前で言えなかった気持ちを言える。
- 共通経験を話したり、昇華、構えない態度など。
Yalom.L(1975)
- 他の患者がよくなるのを見て、自分もという希望を持つ。
- 自分一人が悩んでいるのではない。
- 情報の交換
- 他の患者を助けて、自分が役に立っている。
- 自分の家族の中で体験したこと。
- 人付き合いが上手になる。
- 人のまねをしながら自分の行動を考える。
- 対人関係から学ぶ。
- グループがバラバラにならないこと。
- 語ることによって重荷を下ろす。
- 究極的には人は自分一人で現実に対決し、責任をとる。